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障がい者が働くことの困難さ

里美さんが、被害の告発をするのが遅れ、その間、上司である加害者に明白な拒否の態度をとれなかったことの背景には、障がい者が一般就労することの大きな困難があります。これに関連して、元障害者作業所職員の方さんが、意見を書いてくださいました。紹介します。

障害者運動の大きな柱に、①介護、②雇用、③住居が、あります。
①     障害があっても、施設ではなく、地域で、他の人と同様に、尊重されながら、一個の人間として生きていくためには、24時間の介護が必要です。以前は、(今も)それが家族に担わされ、親子心中、一家心中などの悲劇を生んできました。障害者支援費制度や、自立支援法により、介護が社会化され、ヘルパー(介護者)に給与が出され、生活を保障されるようになり、やっと障害者も最低限の生活ができるようになりました。
②     しかし、人はただ生きているだけでは、意味がありません。一人で生きていくために、収入(所得)の保障がなされるべきであり、収入は、年金等の福祉的収入ではなく、生きている証としての労働が保障されるべきですが、障害者の雇用は、一筋縄ではいきません。一定規模の事業所では、障害者を雇用しなければならない、法定雇用率がありますが、国や地方自治体などの公共機関では、ある程度、雇用率は達成されていますが、民間企業では、法定雇用率1.8%のところ、2009年度の、全体 実雇用率は、前年度より上ったとはいえ、1.63%です。法定雇用率未達成企業は、全体の55%もあります。未達成企業は、雇用納付金を納めなければなりませんが、大手企業は、納付金を支払ってでも、障害者を雇いたいとは思っていません。
③     また、親や家族に頼らなくても、一人で生きていけるような、住宅を確保しようにも、不動産屋は、障害者の一人暮らしを信用していません。一人前の人間としては、認めていませんから、差別的に、「今は、一杯状態です。」と、ウソを言ったり、「大家さんが、火事を心配している」とか「一人で車椅子で、エレベーターを占拠されては困る」とか言って、断られるのです。

実際、私が以前、働いていた作業所では、優秀なパン職人の知的障害の方が、毎年出かける、障害者対象の、就職説明会で、事業所と面接して、「不採用」で、帰ってきていました。
  統合教育の進んだ豊中市では、小学校、中学校を普通校に通う障害者が多くいますが、中学、高校を卒業した後は、就職もできなく、行くところがなく、福祉作業所に吹き寄せられてきます。作業所では、健常職員の収入は、保障されていますが、障害者の方たちは、バザーや、紙漉き・織物・焼き物などをして、過ごしています。一応、販売はしていますが、商業ベースに乗って、製作している訳ではないので、そうそう売れる訳もなく、月に、良くて、数万円を10人くらいで分けるのです。とても独り立ちの生活は、できません。それでも、人権意識を持って、障害者運動をしながら、活動している作業所では、やっと、障害者年金を合わせて、健常者と同等の収入になるように、月2万円くらいの給料を支払っています。時間給にして、166円くらいです。現在、大阪府の最低賃金は、779円です。そんな収入では、独り立ちもできない。生活もできない。つまり、誇りを持って生きるための雇用の保障がされていないのです。
運よく、地方自治体等に福祉枠で、雇用された人でも、時間制限があり、月10万から15万円くらいの給料だろうと思われます。労働する能力のある障害者は、障害の程度が高くないので、年金額も高くありません。決して、総収入の額が、高くならないような、仕組みになっているのです。
  人権意識が高まってきている今日でも、この不況によって、求人率が下がり、健常者でも就業が困難である昨今、障害を持っておられる方たちの雇用状況は、非常に困窮を極めていると言えます。
  その中で、能力を買われて、就職できた場合は、非常に運がいい(この職を失いたくない)と思ったことは、想像できます。

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