みなさま
里美さんの最高裁闘争を共に闘うため、上申書をお願いしています。この度、上申書と合わせて、最高裁署名を始めることにしました。最高裁では裁判官に上告理由書、上告受理申立理由書を読んでもらうこと自体が、大きな闘争です。きちんとした審理さえ実施してもらえば、大阪高裁判決の間違いは明らかになります。問題はきちんとした審理を実施してもらい、大阪高裁では認められなかった本人尋問などの実質審理をしてもらえるかどうかということです。
大阪高裁では、多くの傍聴人が詰めかけたことが審理に反映し、一審判決を覆す一部勝訴の判決につながりました。しかし最高裁では書類審理となるため、傍聴でというわけにはいきません。そこで、みなさんに上申書をお願いしてきました。それと合わせてこの度、最高裁署名を始めることにしました。より幅広く、みなさんの意思を集める方法としての署名です。
森崎里美さんが、やっとの思いで就職したJR西日本。その職場でこんなにひどい仕打ちをされるなんて想像もしなかったでしょう。「重度障害者」の就職先は微々たるものです。里美さんが職を失うまいと、加害者Aの思うが侭にされたことの悔しさはいかばかりでしょうか。
ところが大阪高裁はそのような事情を汲むことなく、二度目以降の性暴力を恋愛関係だと認定しました。一度目が性暴力なら二度目も性暴力です。性暴力から恋愛になることなど女性差別のフィクションの世界のことです。
会社は「性暴力はなかった」と認定し、また、「勤務時間外の事件には使用者としての責任はない」と主張、大阪高裁はこれを認めました。「性暴力はあった」と大阪高裁は認めたのですから、会社の責任を問うべきでした。また勤務時間外でも、「障害者」の契約社員と正社員の係長の間には明らかな強制力があります。そのような不安定な雇用関係にある人が上司の命令に、たとえ勤務時間外であっても逆らうことはできないと考えるのが常識ある判断です。しかも、森崎さんに対するセクハラは勤務時間内と見なされる社員旅行の中から始まっています。 宴会場や移動の車中で、加害者Aは里美さんに抱きついたり、キスを強要したりしました。しかし、回りの誰もそれを止めようとはしませんでした。そのような職場の雰囲気が後の強姦事件を生み出したといっても過言ではないのに、大阪高裁はその事実を見落としています。
大阪高裁が、セクハラ相談室が「(森崎さんの)人格を軽視する不適切な発言が見られる」と認定しながら、会社としての責任はないと言うのはあまりにも苦しい言い訳です。大阪高裁は会社はセクハラ防止の研修や啓発をしていると言いますが、会社で日常的に「障害者」や女性を差別する言葉が業務用語として使われていることをどう言い訳するのでしょうか。実際にセクハラ事件があったのですから、研修も啓発も意味を成さなかったのであり、会社の責任を免れることは出来ません。
私たちは、最高裁が最後の人権の砦としての役割を発揮し、大阪高裁の常識に反した判決を取り消し、良心ある判決を下されることを願っています。
多くのみなさんが、この署名に参加されることをお願いします。
2012年4月 里美さんの裁判を支える会
署名送り先住所:〒661-0025尼崎市立花町4-6-2-2D岩崎方
署名送り先アドレスsatomisaiban@yahoo.co.jp
署名用紙 「12.3.29最高裁署名用紙.doc」をダウンロード
または、紙媒体での署名用紙が必要な方は、上記アドレスに住所とお名前をお知らせください。郵便でお送りします。
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